2012年06月

タンバリンエスメラルダ

演目考察
タンバリンエスメラルダと言えば、そのタンバリンを足で叩く高さが特徴的になっています。
特にこの演目を踊られるダンサーは、それなりの技量を持ち合わせているのが普通です。

テクニカルな内容の多いこの演目はバレエコンクールでも、特にテクニックを持っている人達が踊る率が高いようです。
逆に言えば、一番の特徴であるタンバリンを足で叩くという動作も、頭の上まで足が上がらないとなかかなに、見栄えの良い踊りには見えません。
コンクールではテンポ遅めが難しい部類に入ります。
普通の発表会でもエスメラルダという演目名だけを見た場合、お客さんが期待する所があります。

写真的考察
カメラマンとしてはリズミカルなこの曲は、そのリズムに合わせてシャッターをきれば撮れるもので、簡単な撮影の部類になります。

バレエの写真の優劣というのはどういう事でしょうか。
バレエは人に魅せるタイミングが決まっているものです。
撮影するタイミングが決まっている被写体は、そのタイミングを把握すれば、とても簡単な撮影の部類になります。

通常の写真の世界では、光と影を考慮してそれをコントロールして写真にまとめ上げるのがカメラマンとしての技量です。
ところが、舞台写真では、光と影を明示的にコントロールする事ができませんし、また被写体のポージングに対してカメラマンの声の届く範囲でもありません。

それならば、ある一定以上のバレエカメラマンとしての差異というのはどういう所に出て来るのでしょうか?
これは永遠の課題だろうと思いますが、カメラマンはこの問いに対して自分なりの回答を用意しておかなければならないと考えます。

薄雪写真館のネコ主人(はまなす写真館の物語に出て来るネコさん)が言う「写真なんて修正技術があってなんぼのもの」も一理でしょ。