2012年07月

ジゼル 2幕から 全景

[演目]
ジゼル2幕から。

[主催者]
バレエ教室 スタジオアン さん。

[写真的考察]
D4 + 70-200mmF2.8VR2
ジゼルと言えば、白鳥の湖第2幕湖のほとりと同じく、青のイメージが強い演目です。
発表会では出演者の踊りを見せる事が、そのバレエ演目のイメージを表現する以上に大切だと思っています。
よって写真もあまりにも青々した雰囲気でなく、そこに見えるダンサーの肌色をある程度考慮しながら、元のジゼルの青のイメージを再現する事になります。
プロ公演であれば、より舞台上のイメージを強めて、肌色の再現は弱くなりますが、それでも肌色と舞台イメージの青とのせめぎ合いの中で、現像作業を行っていく事になります。こういう色の見せ方などは、幾ら現場での色温度を変更しても、到底現場でのJPEG一発撮りではできない作業です。
というのも、色に関する箇所は、色温度、色合い、輝度をセットとして相互に依存している事、及びカメラのモニタではそれらの微妙な変更も含めた場合、現場作業でできる事ではないのです。
厳密性を求めれば完全にカラーマネージメントされたモニターの元での現像作業が必須となってしまいます。

RAWで撮影するから、撮影時の色温度は適当で良い。
という考え方もありますが、特に、青のイメージの写真を撮影する際には気にしておくべき事があります。
通常の舞台撮影時の色温度は、2900k~3200kくらいの いわゆる電球色モードが標準になります。
しかしながら、この色温度で青のバレエを撮ると、そのモニターに映る色は、真っ青となってしまいます。
また、白チュチュ等も階調オーバとなり気味で、露出の確認に失敗する事が多くなります。
この為に、青のイメージを晴天モード(4500k~5500k)くらいで撮影して、撮影時には色よりも、適切な露出及び階調が保たれている事を確認するのが、大切です。

適切な露出で撮影されたデータを、現像段階において、厳密な色出し作業を行うのが、青イメージ写真の定番の撮影手法になります。