仕事機材だよ
現在舞台撮影で使っているカメラ・レンズ達です。
全てNikon ばかりとは行かないのがミソですが(^^;)
舞台撮影では自分が動く事ができないので、レンズはズームばかりになってしまいます。
機材リスト
24-70 F2.8 ED VR
70-200 F2.8 FL ED VR + 1.4倍テレコン
120-300 F2.8 DG OS HSM + 1.4倍テレコン
200-400 F4 G ED VR
D5 2台
D810
使用局面
バレエ発表会の撮影が基本ですので、3歳過ぎのちっちゃい子供が床に座った所から、大人までを個人レベルで撮影できる必要があります。
基本的には、70mmで舞台全体を撮影できる距離から撮影するのがベストの撮影位置です。
舞台撮影の写真はやはり個人が写ってるものが好まれる傾向にあるので、全体あるいはグループ的な写真は、2割程度の撮影になるでしょうか。
個人の撮影は、200-400と120-300×1.4テレコン= 168-420mm で撮影して行きます。
よって基本的には
D5 + 200-400 / D5 + 120-300×1.4テレコン / D810 +70-200
というパターンで撮影する事になります。
小さい舞台(300~500人キャパ)では、座席の1番後方からでも70mmで撮影できい場合がありますので、その場合には、
D5 + 200-400 / D5 + 120-300 / D810 +24-70
あるいは
D5 + 70-200×1.4倍テレコン / D5 + 120-300 / D810 +24-70
などで撮影します。
他の舞台撮影業者では、撮影者が複数人となった場合、センタ、サイド、座席前
などに振り分けて、撮影する事が多いのですが、バレエに限って言えば、バレエ自体がアンファス(正面)の芸術ですので、複数人撮影でも、全員センターより撮影します。
お客さんだって通常、舞台を見る時には、観客席のど真ん中からある程度離れた(10列分くらいでしょうか)位置から舞台鑑賞するのが特等席になり、その映像を良しとしているはずです。
その特等席と同じような形で撮影する為に観客席センターから撮影するのが、やはり強い写真になると判断しています。
お勧め機器
コストパフォーマンスが高いのはなんと言っても
120-300 F2.8 DG OS HSM + 1.4倍テレコン
です。
1.4倍テレコンを付けるとさすがに 200-400F4 と比較すると、解像感は落ちますが、最終印刷レベルでは問題ないです。
もし200-400F4を購入する前に、120-300が現在の品質で製品化されていたら、恐らく200-400F4は購入しなかったと思います。
1.4倍テレコンで 168-420mm F4 で使えるので、舞台撮影ではとても汎用性が高いです。
200-400F4は超高解像度です。
しかしキャパの小さい舞台では、200mmの横位置では、パドドゥで女性をリフトアップした時に、撮れない場合があるのです。
その意味では、168-420mm F4は、それさえもクリアーできてしまいます。
但し問題は、200-400F4に比較して120-300は、色温度で約50K程度落ちる(Mよりになる)ので、現像時に若干いやらしい事もあります。
写真特性
開放F2.8のレンズでも、全て絞って、F4通しでレンズ性能(主に解像感)を上げて撮ります。
全景に関しては、F8(被写界深度の確保)くらいまで絞って撮る事が基本です。
但し舞台の明るさ等でそこまで絞る事ができない場合も多いです。
バレエの舞台写真は、暗い所で動いている相手を撮る為には、高性能なカメラ 高性能なレンズが最終的な画像品質にモロに現れてくるので、やたらと機材費用が高騰してしまうのが、とても泣き所です。
最終的には人の肌色の箇所さえもノイズ感を感じさせないような品質で撮るのが目標になりますので、機材としても最高機材を揃えなければ、私が思っている品質はなかなかに到達できないのです。
ISOコントロール
カメラの高感度撮影が年々進歩して行っているようにも見えますが、私の品質レベルから言った場合、露出で1段上がるのに、約2年くらいかかっているように見えます。
現在のカメラ機材では、D5であれば実質上ISO3200くらいで撮れるようです。
できればISO1600 で撮れる事ができれば、ベストだと思っています。
最大ISO感度は6400まで使う事がありますが、相当に舞台が暗い場合で、売れる写真となるようでない場合が多いです。
例えば、影絵のような踊りの場合です。
最終的にはRAW現像処理を行うので、ISO1600~3200レベルで撮影しておけば、現像時の自由度が大きくなり、更に最終的なノイズも軽減ができると思います。
それより上の感度は、ある程度画像品質に乱れが出がちになってきます。
最終媒体サイズを2Lサイズ程度でよければ、随分高感度が撮影できるのですが、私の場合の品質は、きちっと撮影した物は、A2サイズでも販売できる事をベースにしていますので、最大でもISO6400くらいで抑えたい所です。
もちろん場合によっては、それより上のISO感度も使いますが、その時は、画像品質よりも、動きを撮影する事を優先して良いと判断した時だけです。
今後カメラに望む事
カメラの写真品質に関しては、基本最低ISO感度が上がって欲しい要望はありますが、それほど大きな要望はありません。
レンズとしては、50-150mmF4 があれば、最高です。
Nikon Sony Sigmaに要求しましたが、今だ実現せずです(^^;)
動きのあるバレエ舞台をサイレント撮影できるサイレントカメラが、私にとっての最終的なカメラ機材になると思っています。
音に関しては少しはあっても良いので、本来は、電子シャッターでなくても良いのですが、電子シャッターの方が実現し易いように思います。
最終的にはそうなると思いますが、それが、2年先なのか、10年先なのかですね。
なを暗い座席での撮影でかつ、カメラ機材をなんらかの消音対応で布等で覆う為に、基本的に右手だけで露出(ISO感度、シャッタースピード、絞り)を、カメラを見ずに操作できなければなりません。
それができないカメラは、例えばサイレント、高感度撮影が行える7RM2でも、メインのカメラにはなり得ません。
カメラは、私だけでなくアシスタントにも使える事が大切です。
上記機材を使用して撮れる品質・操作性の全てをSony製品だけでまかなえる事が、後5年で出来たら拍手喝采です。
やはり、Nikonでの地道なカメラ作りをしている所が、既存品質を守りながら、ローリングシャッター問題も解決した高感度サイレントカメラを作る方が早いのではないかと思っています。
もちろんセンサー自体はSonyが作る事になるでしょうが…
2017年3月10日