クラシックバレエの舞台撮影とわ

BALEET[バレエ] JOB[仕事]

少し毒舌気味になるので個人のサイトとしての発言をさせて頂きます。

舞台写真ではやはりバレエ写真が、全ての舞台撮影の基本技量となると思います。
しかし、バレエの写真を撮るという事でなく、バレエの写真を作成すると言うのは、それほど簡単な事ではありません。

上記写真を撮れる人は、ダンサーが優秀なのである程度のカメラマンなら撮り得る事ができると思います。
カメラマンの技量とは、撮影場所に行ってハイ撮影できました。
で完結している写真撮影会社が恐らく90%程度だと思います。

RAW現像

上記写真と同じ物を得る為には、当然ですが、撮り放しのJPEG撮影では到底不可能です。
RAW現像という色出しの作業を行って始めて可能となる写真です。
恐らく私は、日本バレエ写真界隈で、RAW現像を始めた恐らく数人の一人だろうと推測しています。

この業界老舗の撮影会社としては、4社程度に絞り込まれますが、そのどこもがRAW現像なんて物はやっていません。
全て撮影時に決定した色で最終画像を作成しています。
ほとんど多くのユーザは時折、非常に赤っぽい写真を見て、違和感を感じている所が沢山あると思います。
カメラ単一の機能では、適切な色だしが行えない事実があります。

また RAW現像を実施している少ない、マイナーな所もありますが、その実力のほどは未知数です。

なぜ多くの舞台写真を撮影する箇所で、RAW現像作業を行わないかは、明らかです。RAW現像する技量がない。
数千枚単位をRAW現像する工数が計り知れず、とても採算ベースに乗らない。
という所が現実だと思えます。

私は数千枚の写真であっても、全て1枚毎に色が適正になるように、RAW現像を実施しています。
それが為に、上記写真の色が得られるのです。
撮影技量だけじゃないのというのが、舞台写真の評価の分かれ目なのです。
最低限の話ですが、私の所に撮影依頼しない場合には、撮影依頼する所に対して、「そちらではRAW現像を実施していますか?」
という質問をして、YESなら撮影依頼して良いと思います。

事前準備作業

カメラマンは本番の舞台の日に来て、ゲネプロを見て本番撮影する。
というのが、恐らくこの界隈の業者の99%をしめていると思います。

私は、元々ソフトウェア開発を経て、システムエンジニアそれもプロジェクトマネージメントを行っていた経験を持っています。

システム構築において、お客様の本番日にだけおじゃまして、作業を行う な~んて事は、絶対あり得ません。
普通は、本番日においては、事前に本番日に行う作業内容を全て確定した上で、本番日のトラブルを最小限にする事を実施した上で、本番に備えます。

舞台撮影がコンクールのようにソロバリエーションのように事前に踊る内容が明確で、照明効果も一定であれば、本番日一発勝負でも良いと思います。

しかし、通常のバレエの発表会では、演目内容は、多くの場合創作された踊りが多いです。
また、通常の多人数の発表会では、カメラマン一人で撮影できるものではあり得ません。
例えば 舞台上に10人のチビッコバレエの演技者がいたとします。
演目の時間が、3分=180秒だった場合、一人で撮影した場合は、個人を撮影できる内容は、3秒に1カット撮影するという超人的パワーを発揮したとしても、180秒/3秒=60カットが撮影できる範囲になります。
60カットを10人で分けると、平均6カット/人という事なります。
チビッコバレエでは、その一瞬一瞬で、写真になるものというは、場合によっては奇跡にも近い場合があります。

要は、多くの場合一人のカメラマンでは全てを撮りきる事ができないという事です。
そうした場合、複数人で撮影するわけですが、それぞれの撮影者の撮影する内容を、きちんと計画されておかなければならない事は明白ですね。

その計画はどのように行うのでしょうか。
この場合の計画というのは、ソフトウェアの設計というフェーズに似ているかもしれません。

そんな設計フェーズを、本番日の作業現場で行うなんて事を充分にきるかと言えば、まず不可能です。

私の所では、本番日以前に行われる照明リハなどに伺い、全体の人の動きをビデオに撮り、それを私が解析を行い、撮影を行うアシスタントに指示を事前に行っておきます。

それによって、初めて私として考えている写真が出来上がるのです。

そんなに簡単な事ではない

特にフィルム時代から撮影していた人達の中には、バレエ撮影の経験値を自己のパフォーマンスの高さにしている所が、多いように思います。

上記に示した通り撮影技量がなければ話にはなりませんし、撮影技量において秀でている少数のカメラマンは確かにいます。
但しこの撮影技量に関しては、個人の適正があり、ある程度の量的訓練と質的アドバイスがあれば、仕事で問題がないレベルに到達するのは、それほど難しい事ではありません。
個人の技量は必要技量ではありますが、十分な作業ではありません。

個人で撮るという技量以前に、大切な事はチームとして適切な事前撮影設計の作成と後行程作業です。
それらが、撮影そのものよりも、工数・能数が必要となるのも事実です。
ここのとらえ方を間違っている同業者が多いのが現実のようです。