今時のプリンターのカラーマネージメント
業務で使うプリンタを購入しましたのでカラマネと共にその評価を行ってみます。
以下に色域を示します。
用紙はどれも EPSON SuperFine 最新版
白色 PX-H6000 (10色顔料系)
赤色 今回購入のビジネスインクジェットプリンタ(4色顔料系)
青色 Japancolor 2001 (CMYK 日本標準印刷)
綠色 EW-M770T (4色染料系 実際には5色ですが 黒が2色で染料と顔料を印刷用紙のタイプで変えて使っているようです)
色範囲は Lab形式で表示します。
Lは輝度を表しています。
L25は暗部を表していますが、ほとんど階調性が認められない暗部です。
意外に染料系は暗部階調が優れています。
L50は中間調を表しています。
もっともよく使われる色領域と言えます。
この部分は各印刷系で色の偏りはあるものの、やはり染料系が一歩色領域は広いです。
但しカラーマネージメント配下での実印刷は、色の相違は比較してもほとんどわからないと言えます。
ビジネスプリンタが、写真系印刷のプリンタの色性能によく追随しているとも言えます。
L85は高輝度の箇所です。
この領域は意外とよく目にしている色領域です。
ライテイング配下で撮影されたメイクした日本人女性の膚色に使われているもので、ここは女性をプリントする時には、慎重にプリンタ選びが必要な箇所です。
その意味では、PX-6000 10色プリンタが抜き出ています。
実は、非常に重要な色領域にもあるにも限らず、10万円程度のプリンタではなかなかに印刷できない箇所でもあります。
モニターでは、高輝度から中輝度に至る肌色のグラデーションが見てとれるのに、印刷すると、のっぺりした色になってしまうのは、色領域が小さい為なのです。
この部分でも、染料系はたいしたものですが、顔料系のビジネスプリンタもなかなかどうして、と言った所でしょうか。
総評
PX-H6000は私のレファレンスプリンタです。
一世代昔の製品です。最近のでは更に色数を増やしたものが出ているようです。
色の出方など非常に安定しており、単なる色域だけでは、評価できない所があります。
ビジネスプリンタは、4色顔料でまさにビジネス用途と言う感じですが、色域はまぁーまあーですが、カラマネ配下では、驚くほどの能力を発揮します。
A4写真インク代 20円 程度
A4写真印刷速度 0.5分/枚 程度
EW-770Tは、きちんとプロファイルさえ作れば、非凡な能力を発揮する エコインクタンク方式のプリンタです。
A4写真インク代 10円 程度
A4写真印刷速度 1分/枚 程度
染料系のデメリットは、ここでは論じませんが、普通に写真を安価に印刷するという領域では充分に価値があります。
他の写真印刷プリンタ 例えば PX5V等では A4写真インク代は約70円~100円かかります。
私の場合仕事での利用用途ですので、印刷速度が最大性能であり、印刷品質も なかなか良い顔料系のビジネスプリンタが最適です。
例えば A4印刷を300枚印刷するのに ビジネスプリンタでは 2時間半 に対して、EW-770Tでは 5時間 となります。まさしく生産性になります。
なをビジネスプリンタの多くは、EPSONの最新プリントヘッド PrecisionCoreを使ったもので、文字品質はレーザープリンタをも越えています。
どうもEPSONはプリンタハードとインクビジネスの狭間で商売をしている過渡期のようにも見えます。
染料系… 災害で水に濡れたら… ウッとなりますし、客先に配布した写真がちょっとした水分で…
写真印字品質 文字印字品質 インクコスト 印字スピード 等等考慮してプリンタを購入しましょう。
注意
本評価では、バージョン1.80のi1Profiler i1pro2 i1io2 でプロファイルを作成しています。
パッチ数は3000 パッチ枚数はA4 5枚でした。
但し EW-770Tには プロファイル作成時に 3000パッチでは、同一色に対する色パッチの読み込み時に色変動が大きく、プロファイルが作成できませんでした。
パッチ数を800 A4 2枚に減らしてプロファイルを作成したものです。
やはり安価なプリンタは安価なり に安定しないのかも知れません。
ビジネスプリンタの印刷耐久枚数は 15万枚
EW-770Tは 5万枚
TAGS: カラーマネージメント・プリンター | 2018年7月29日