フルサイズミラーレスについて物思う事
Nikon Z に続き Canon R も発表となりました。
私は、ほぼ全てのフラグシップミラーレス、一眼レフCanon 1Dmark2まで それ移行Nikon デジタルをメインに使ってきている私の感想です。
元々私は大手コンピュータメーカでソフトウェア開発、ユーザインタフエース関係の設計などを担当してきましたから、物事を正確に見る目は持っていると思えます。
いきなり結論
結局はメーカの傾向がそのままに最新カメラのパフォーマンスになっていると思います。
その中でやはり、Nikon Z が抜けている感じです。
Sony
フルサイズミラーレスに対してセンサー技術をメインにこの業界を牽引してきた事に対しては評価できます。
Sonyは元々最初の物作りに対しては、どの製品も魅力・先進性があり、カメラに対してもそうです。
A99も素晴らしいと思いますし、αシリーズもそういう意味では良いです。
しかし残念ながら製品を熟成させる開発体質ではないようです。
目先の利益や、上を向いて商売している傾向が多いにあります。
カメラに限って言えば、私はプロ会員になって言い続けた事は、「ユーザインタフェースが全くなっていない」事でした。
単にボタンを配置しカストマイズできる機構を提供して、後はユーザ側で適当にやってくださいというスタンスです。
メーカ側に適切なユーザインタフェースを構築する能力がありません。
更に悪い事にはユーザの意見として、業界大手の意見には耳を傾けるが、一般ユーザの意見はないがしろにしてきている傾向が強いと思います。
多分、Sonyは、新規性に対しては、これからも目を惹く物がリリースしてくると思いますし、その新規性に目を向ける人達も多いと思います。
しかし、永続的にカメラを使い続けるユーザは、そんな所には惹かれず、結局は、大手カメラメーカに移ると思われます。
Canon
私自身40年ぐらいCanonユーザでした。
しかしデジタルになってから、自分自身がプロとして写真を撮りだした場合、まずは、品質面がなっていません。その品質面から、Canonを止めました。
もちろん現在のデジタルカメラではCanonがCCDセンサーからCMOSで現実的なデジカメを牽引してきた事に関しては評価はしています。
何事でも難しいのは、最初に目新しい技術で展開するという事はできても、技術というのは、時間と共に広まり、最終的には技術そのものに関しては、メーカ間での差はほとんどなくなってきます。
しかし品質に関しては、それは社内風土・体質に関係しているので、よほどの事が無い限り一朝一夕には変化はしません。
品質というのは、障害品質だけでなく、カメラの品性にも大きく影響してきます。
品性とはユーザによりそうユーザインタフェースの事だと定義できます。
どのメーカも技術は時間と共に格差がなくなり、最終的には、そのメーカの持っている品性及び、リソースをどのようにカメラシステム配分するかによってカメラの性格が決まってきます。
カメラの基本は、被写体を見て→ピントを合わせる→シャッターを押す 事です。
まずはファインダーありきです。1番重要です。
一日に数十枚、数百枚程度撮る人であれば、もしかしてその重要なファクターは減るかもしれません。私は1回の撮影で、連射でなく1カットずつ撮る方法でも、3000枚~5000枚程度撮ります。その場合には、ファインターで被写体をずっと眺めている事になります。そこでいかに目が疲れないかという事が、非常に重要です。
シャッターは、もちろん軽快に数千カットをカメラマンの意思の元で、瞬時に反応して行かなくてはなりませんし、その為には、シャッターに味付けがあってはそれも疲れを増長させてしまう事なります。
良いカメラとしては、カメラマンにストレスをなるべくかけさせない物の事です。
それがチームで組んで被写体を撮る場合には、少しのストレスが大きな結果となってくるものです。
小さなストレス × シャッター枚数 × 撮影者 = 総ストレス
もちろん多少のストレスはあっても、それ以外のパフォーマンスを重要にしている人達も多いです。
しかし彼らには、上記のような判断は考えた事もないと思いますが…
メーカにとって非常に重要なのは、
カメラとしての小さなストレス × 利用者の数 = 総ストレス
という事です。 総ストレスは、結局は、最終的に画像品質の低下を招いており、写真文化のレベルを低くしているという事です。
多分メーカ側としては、こういう考え方でカメラを考えている所はないと思います。
現在のレフ機のフラグシップ 1DX2 を量販店で少し触ってみました。
私はとしては、ダメだと思いました。キャノンは、レフ機も1Ds系以降からは、どんどんシャッター周りがダメになってきていますし、中級機の5D4関係も全くだめと言わざるを得ません。
ストレスがかなりあると言う事です。ストレスの考え方は上記の通りです。
EOS R は既に、シャッター音やファインダーのレビューなどを見る限り、更にメーカの宣伝文句を見ても、私には全く興味を惹きません。
それに、シャッター周辺のボタン配置。あれはいったいなんでしょう。
ファインダーをみながら操作できるんでしょうか?
Nikon
Zシリーズは、レビュー等を見る限り、ファィンダー、シャッター周りも好評のようです。
ユーザインタフェース周りも、ファインダーを見たままで操作ができるものだと思えます。
真面目に丁寧に設計したシステムだと思います。
もちろんMaxのカメラではありませんが、それでも趣味では問題なく、仕事でもある程度は使えるものと判断しています。
私は Nikon だと思います。
もちろ実際に使ってみたら 粗がわかるのかも知れませんが、ほぼあらゆるレビュー等を見た限りの判断です。
まじめなカメラメーカが、まじめにカメラを作ったと思います。
誰もが期待しているのは D850 D5 の完成度を期待しているのですから。それらの品性を落としてはなりません。
Nikonに期待するのは 一点のみ。オリンピック対応グローバルシャッターを持ったフラグシップ機です。
オリンパス
とても良いカメラをつくっています。
これでもう少しキーテクノロジーに技術があってフルサイズさえ出せれば、3代メーカに対抗できると思えます。
E-M1Mark2 は、絶対的にダメな箇所は、ファインダーです。
現実の各社のトップカメラと比較して、最低です。
その次ぎにシャッターの改善が必要です。
その二つを改善するだけで、随分よくなると思います。
パナソニック
DC-G9の開発スタンスとして、彼ら開発陣は、他社のカメラを徹底的に調査しそれらの良い所を取り入れました。と思っています。
その姿勢はとても良い事です。
そしてできあがったカメラは ブラボー です。
技術としては、それほど目新しいものはありません。
それでもSonyのファインダーを越える物は他社では難しいと思っていたましたが、それに匹敵するファインダーを搭載し、激薄のシャッターの搭載。世界一のAF性能。
基本機能は全てのトップと言っても良いです。
大坂人の根性が見えるようです(^_^)
ないのは フルサイズセンサーだけのようです。
G9でのパナソニツクの開発スタンスは、とても頼もしく思えます。
UI的には、シャッターの近くに WB / ISO / 露出補正 が並んでいますが、これは修正しなければなりません。
手操作だけでは、このボタン並びを一発で押す事は不可能な為です。
UIの設計陣は、非常に重要なこのインタフェースに対して反省すべきです。
次期カメラでこの部分が直ったら、拍手です。
現行のカメラの技術的にダメな所は、DFDテクノロジーによるAF認識です。
他社では普通にAFで合う所が、合わない場合がたまにあります。
これでは、とても仕事では使えません。
今後
Sony・Canonは興味がないです。
Sonyがキーテクノロジーで旗振りをしてもらえる事に期待します。
オリンパス・パナソニックは、マイクロフォーサーズでもグローバルシャッター化してもらえれる事を私としては、非常に期待しています。
いまやマイクロフォーサーズと言えど、暗部性能は、結構良い事を多く人達は知りません。
グローバルシャッター
CMOSセンサーの前はCCDセンサーで、それはグローバルシャッターです。
単にCMOSセンサーでの電力消費性能及び開発によってノイズ品質の低下ができて、CMOSセンサーを使っているだけです。
グルーバルシャッターはセンサーに持っている機構を言いますが…
現行ではCMOSのようなラインセンサーでもメカシャッターと組み合わせれば、充分使いものになっています。
例えば CMOSセンサー + 電子シャッターの2層構造ににして、実現する手段も考える事もできます。(もちろん問題も多いと思いますが)
メカシャッターの機能を電子化するという事です。電荷の蓄え・電荷の流れは、従来のCMOSセンサーにまかせる事です。
これによつて、CMOSセンターが持っているローリング歪みのない、サイレント撮影が機構上は実現できてしまいますが…
グローバルシャッターではありませんが、こんなカメラが出て来る事も…
2018年9月6日