Nikon Z7 関係 今後のカメラに思う事

PHOTOGRAPH[写真]

総論

Z7を入手して思った事を徒然に伝えたいと思います。

仕事ではD5を筆頭に使い、趣味と実益の可能性を調べる為に各社のほぼ全てのミラーレスを使ってきました。

Z7は、S社フルサイズ系以上のインパクトを持っていると思われます。

一眼レフの終演をも感じさせるカメラが、Z7だと思ってます。

未来のカメラ

いつの日かスティルカメラや動画カメラの垣根が取り払われる時代が来るのは、当然です。現在のその序章が始まったばかりの時だと思えます。

将来は、撮影する行為の所と、撮影後の最終アウトプットを出すフェーズはかなり変わると思われます。
撮影時には、数台のカメラで被写体を360度をカバーできる範囲でとりあえず撮影しておく。 いわば撮影の概要作業にあたります。
最終アウトプットを残す時には、パソコンを目の前にして、概要作業で残された撮影データを入力として、3D技術やAI技術を駆使しながら、被写体を自由な角度から眺め、光の状況を再現・補正して行く。それも、コンピュータと対話しながら、場合によっては、空間でジェスチャー操作して行く。
時には、被写体の形状さえも補正して行く事が簡単にできるようになると推測しています。
カメラマンに求められる資質に、撮影時に被写体を追いかけるとか、適切なシャッターを切るとか、更には、撮影現場照明を作り出す事さえ不必要になってきます。

一番必要な状況は、最終アウトブットを作成する為の、クリエイターとしての創造性のみという所になるだろうと思えます。
スポーツ、物撮りに限らず風景撮影にもそれは波及して行くと思われます。

現状のレベル

現状のデジタルカメラは、未来の撮影技法に対しては、まだまだ序章のレベルです。

特にカメラの電子技術で代表される機能に関しては、メーカ間の格差が年月とともに平準化されてしまいます。
重要なのは、そのメーカが大切としている事を組み込んで行く事です。
大切としている事、つまりはメーカの品性がカメラの選択基準になって行くだろうと思えます。

具体的には現状において、一つの連写性能や、一つのAF性能が顕著な電子技術になっています。
一方、一番必要なパフォーマンスは、自分の意思でシャッターをきるという事だと思います。
現在のカメラは、一眼レフ、ミラーレスに限らず、この一番基本的な箇所である「自分の意思でシャッターをきる」という事が、軽視されがちです。

具体的には、シャッターで三三七拍子さえできないカメラが、自分の意思に反応するカメラだとは、私には思えないのです。

求められる基本要素

α9を筆頭にカメラまかせの連写能力が高いカメラが動態撮影能力が高いように語られる場合がよくあります。

しかしそれは、動態撮影能力のオプショナルパフォーマンスと考えています。
もちろんカメラまかせの連写能力がより有効に働く局面はありますが、スポーツを筆頭に動き物を撮影するプロフェッショルな人達は、基本性能としての能力「自分の意思のタイミングでシャッターが反応する事」を前提としています。
しかし、メーカは、今のミラーレス全般で多いのはシャッターの箇所に重きを置いていません。
Nikon D850は完成度の高いカメラとして地位を確立していますが、それでも動態を撮影する この基本能力の箇所に関しては、D5の方が上なのです。
より具体的に言うならば、シャッターを押して次にシャッターを切れるまでの時間が早くそれに伴うカメラの振動も少ない。
特に鳥撮影を行う人達は、当然連写能力を求めます。小鳥の瞬時のスピードに対応するのは、ファンダーに納める事だけが人間作業で、後はカメラまかせの連写能力が求められる能力です。人間の視覚判断を越えた所を撮るものです。
しかしこれは、スポーツ全般を通した場合の動態撮影能力の一面しか表していません。
多くのミラーレスカメラは、センサーを中心として、かなりメカニカルな機構が少なくなり、カメラ連写がしやすくなりました。
しかしながら、それとともに、逆に劣化している箇所は、シャッターパフォーマンスです。

アマチュアカメラマンは、撮影する対象量が少なかったり、自分の技量のなさや、カメラパフォーマンスのなさ等で、勢い動き物全てを連写で撮ってしまう場合が多いです。それに対応してカメラメーカはアマチュアが必要とするパフオーマンスをカメラに組み込んではいますが、それが全てではない事をメーカは忘れてはなりません。
最終的にプロ用カメラとしてオリンピックを始めとして、生き残るカメラというのは、Nikon Canon-1DX系だと考えています。
動態撮影能力に関しては、プロスポーツ分野の人達でさえ、その事に気がついていないとも思います。
それに対してアマチュア用には、連射機能を磨いた物が好まれるともいえます。

プロは適材適所機器を用意して対応する。
プロの部分的なパフォーマンスをプロの全てだと認識している人達が多いのが現状です。否、突っ込んで言えば、そのような部分的なパフオーマンスのみをまねして、写真が撮れる事に期待をしても良いとも思えます。

所詮は、電子技術で代表されるパフオーマンスは時間とともに平準化され、後で残るのはそれ以外のメーカが考えている方向性・品性であるという事です。
例えば、三三七拍子の件は、他のメーカのカメラでもできるようになる事は、とても喜ばしい事ですが、おそらくは、その本質をメーカは理解しない為に、採用は見送られる場合が多いにありますし、実際問題、αシリーズに関しては、そうでした。