Lumix 高速度の可能性
Lumix G9は AF速度0.04S = 40ms とうたわれており、レンズ交換式カメラではAF性能世界最速となっている。
レンズ一体形のの世界一は、Sonyのカメラの模様。
G9では最大の連写速度は AF固定で60コマ/S AF連動で20コマ/S となつている。
G9のAFはDFDテクノロジーと呼ばれており、像面位相差用AFセンサーを使わないもの。原理は、2枚の画像で位相の違う写真を撮影してそこから、一発でAF位置を決定するもの。
AFに2枚の写真の撮影フェーズが動作している事になる。
これは、将来的にスポーツ系の写真を撮る時にネックになるのではないかとの思いがある。
それに比較して像面位相差AFは、1回の撮影でピント精度を割り出しているという事。
つまりAFから撮影までの一連の動作は
DFD AF用2枚撮影 + 実像の撮影1枚
像面位相差 AF用1枚撮影 + 実像の撮影1枚
という事なっており、単純比較では、DFDの方が動態撮影マイナス要因があるようにも思える。(像面位相差での撮影枚数は推定です)
もう少し単純計算をしてみよう。
G9では最大60コマ/S となつているが、これはAF作動を止めた場合です。
一方AF作動を伴う場合は 20コマ/S となつているが、実際の撮影画像においては、1回の連写あたり 3枚画像を撮っている事なります。
実際問題、1秒間で 20コマ×3枚/秒 = 60コマ AF用に40コマ 実像用に20コマ という割合になっている。
センサーからの実像の取り込み解析には一枚あたり 平均1/60S= 0.017秒 = 17ms かかっている事になる。
AF作動だけて行けば 2枚の画像取得に 17ms/枚 ×2枚= 34ms かかる事になり、Lumixが公表しているAF動作速度40msに対しては、残り6msをAF動作に使っている事なる。
AF速度0.04秒/枚(40ms) = 2枚の画像取得・解析:34ms + AF作動:6ms
位と解析できる。
20コマ/S 連射時の1枚あたりの時間= AF作動時間/枚 + 実像取り込み/枚 =40ms + 17ms = 57ms > 公称50ms
となるが、連射時にはある程度の最適化が動作しているようにも思える。
とにかく通常時シングルシャッターで1枚画像を撮る時には、約60ms ほどかかるという事がこの製品限界なのである。
1枚シャッターきろうとした瞬間から次の画像がファインダー上に見えるまで、実像は60ms先を行っている事になる。
よくわからないが、これが像面位相差AFであれば、AFから画像の取り込みまでは、3枚の画像の取得でなく2枚の画像の取得でOKなので(それも位相差AFの場合には、画像全体でなく一部のセンサーユニットだけの画像取得さえできれば良い)単純計算で行けば、60msの2/3= 40ms 以下で動作可能という事。
いったいこの時間はどこまであれば、人間は無視できるかは、不確定だが、60ms程度の動作は、結構大きいのは事実である。
もちろんAF-C動作でなく、シングルAFであれば、半押し時点でAF作動をロックして、最後は、実像の取り込みだけなので、計算上は、17ms程度の遅れで撮れる事になり、ほとんど影響は無視できるかも知れない。
恐らくミラーレスでの動態撮影における撮影手法では、積極的に シングルシャッターを使う方が有効だと判断できます。
多分この事は、あまり知られていない事実だと思う。
もちろん元々AF動作をさせずマニュアルフォーカスだけであれば良いわけですが...
求められる性能
光学タイプの一眼レフでは、ミラーのアップダウンはありますが、シャッターにあたるスリット動作の時間がほぼ人間が見えない時間に一致している言えます。
例えば私のようなバレエの撮影であれば、シャッター速度1/500以上は全く不必要です。1/250であれば、まず問題ない速度です。
1/250~1/500= 4ms~2ms
が1枚の写真を撮ってから、次画像が表示される時間になります。
見ている画像は実像になるので、現行のD5レベルであれば、その時のレスポンスはあまり考える必要もない所まできています。
結局シャッター押下から 10ms 以下で次画像の表示までできれば、私の撮影領域であれば、光学ファィンダーと同一性能だと言えそうです。
ただし 1/250で撮る時には 最低限その時はメカシャッターや電子シャッターが閉じられているので、実際に処理にかけられるのは、10ms – 4ms = 6ms 程度で処理しなければなりません。
現在E-M1MarkのEVFファインダー表示への実像との遅れ時間は、0.005秒=5msと公表されています。
これだけを見れば十分高速だと思います。
しかし これにシャッター押下が伴うと、シャッター押下時の実像から次ぎに画像を表示されるまでの時間は
ミラーレスの場合
表示遅延 + シャッター押下処理から次画像準備 +表示遅延
= 5ms + 17ms(シャッタースリットの動作時間含む) + 5ms = 27ms
にもなります。
一眼レフの場合
表示遅延 + シャッター押下処理から次画像準備 +表示遅延
= 0ms + 4ms(シャッタースリットの動作時間) + 0ms = 4ms
となり かなりの差がある事になります。
もしミラースレでの処理速度をアップだけさせて全て1/2の時間でできるならば
表示遅延 + シャッター押下処理から次画像準備 +表示遅延
= 5ms/2 + 17ms(シャッタースリットの動作時間含む)/2 + 5ms/2 = 13.5ms
となります。
理想とする姿
もしミラーレスにおいて、常に最終画像を取り込んでそれを表示しているとしましょう。これはビデオの世界と同一です。
そうした場合 EVFファインダーで見た画像=取り込むべき画像 となりますので、表示遅延など考える必要はなくなります。
前表示遅延 + シャッター押下処理から次画像準備 +後表示遅延
=0ms + 4ms+?(シャッタースリットの動作時間含む)/2 + ??ms = 4ms + ??
後表示遅延5msは基本的に無視できると思えます。
とにかく実像でなく 取り込まれた画像をシャッターでセレクトしているという形になります。
私が求める最終形は この形です。
この形で行けば とんでもない事が可能となってきます。
例えばバレエ撮影で一番早いシーンは足を素早く打つようなパであり、そういう所はシーンが少ないです。
その時に、一瞬画像をスロー再生させて、その中から適切な一枚をシャッターでセレクトできるという形になります。もちろんスロー再生している間に生の現実の時間は過ぎて行きますが。
現在のミラーレスカメラは 第1世代です。
1.5世代 E-M1mark2 α9
2世代 シャッター押下から自画像表示まで 10ms 以内
3世代 ファインダー画像での実像取り込み
という形になります。
3世代目は 恐らく10年くらいはかかるのでは ないでしょうか...
2018年12月16日