カメラ 動態性能評価について

PHOTOGRAPH[写真]

カメラの動態性能評価については、私が知る限り、世界中をインターネットで探しても見つからなかった。

探して見つからないものは、自分でなんとかするしかないので、それを評価する物を考えてみた。

動態撮影能力

動態撮影と言っても、実際には、被写体の動きを人間側が予測しているパフォーマンスとの組み合わせで、カメラ性能をカバーしている面も多いにあります。

基本的には、被写体を見た瞬間を認識した時に即座にシャッターをきってどの程度その時の被写体をきちんと撮影できるかが基本パフオーマンスになります。
但し重要なのは、シャッターを切った後にきちんと次の被写体を追える事が必要ともなりますが、ここらをきちんと評価している人達や、他人に評価結果を示すような情報はまずありませんでした。

評価方法

まず以下の動画を少しだけ見てください。

https://youtu.be/x2gnA9Z1k6M

画面上で決められたスピードでボックスが動いていきます。
これをカメラのファインダーを見てどの程度きちんと撮影できるかというものです。
但しこのテストも万全ではなくて、どうしても早くなると、人間予測が働いてしまい、正確なカメラのパフォーマンスが測定しずらくなる可能性があります。

が、それでもある程度カメラの本当の意味での性能評価が行えると考えます。
皆さんも この動画を画面上に映し出して、撮影をやってみてください。

そうすると、カメラの基本性能がわかると思えます。

同一パターンに対する評価は、3回までとして、その中で全てのセル(18個)が写す事ができればOKとします。
なをプログラムの観点で、ボックスの色の変わるタイミングと文字がその中で表示されるタイミングに若干の相違がありますが、とりあえず、どちらかが撮影できていればOKとします。
評価条件は以下とします。
・マニュアルフォーカス(AUTOフォーカス観点は結果で示します)
・マニュアル露出
・シャッター速度 1/250
・ ISO 1000~1600内で自動的にカメラのノイズ処理が動作しない範囲
・フリッカーレス OFF
・撮影後の画像確認 OFF
・シングルシャッターモード
・手ぶれ補正OFF (基本は三脚に据えて撮影して下さい)
・人間側予測をなるべくしないで、動く箱が見えたらシャッターを切る
という事で対応してください
・表示時間 100以下は基本的に人間は撮影できません。
カメラの連射機能でテストしてみるのも おもしろいかも

結果

1.光学ファインダー Nikon D5
表示時間 間隔時間(セル間の移動時間=セルが見えない時間)
300-100  余裕で問題なし
300-50   3回トライしても数カットミスがでる
200-200  問題なし

私のダンスの動きでは、最高300-50に人間予測を入れた箇所である程度写真が撮れるものだと思えます。
このあたりをミラーレスでカバーできていれば良いと思います。

2.ミラーレス E-M1Makr2

300-200 2回目でOK
300-100 1回目でOKだがD5レベルの余裕がない
300-50  3回以上やってもミス多し
200-200 NG

やはり表示時間が短くなると、シャッター押下の影響が、次の画像に影響を出しており、次の画像の表示時間が短くなり、その結果として撮影できなくなってきます
次製品であるスポーツ分野に特化E-M1X が、D5レベルのパフオーマンスを持っていれば、「ミラーレス 第2世代 初誕生」と言っても良いと思います。
E-M1XはE-M1mark2の性能で2倍とうたわれているので、恐らくこれをクリアーできると思えます。

–2019.1.25追記–
E-M1Mark2の 表示タイムラグは 5ms   ですが、半押しからのシャッタータイムラグは、30ms  との事です。
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3.ミラーレス Nikon Z7

300-200 OK
300-100 NG

画素数が45M製品なので、こんな程度だと思えます。
他の製品が半分程度の画素数なので、処理時間も2倍程度かかっても仕方のないというのが、現行の技術水準だと思えます。
45Mで三三七拍子のシャッターパフオーマンスを持っていても、やはりファインダーを見ての総合性能では、半分の画素数の製品のパフオーマンスは得られません。
45Mも画素数を考えれば、良好パフオーマンスで動態被写体を選べば良いというのが、私の結論です。

総論

ミラーレスの動態撮影能力 と言えば連写機能ばかりに目が行きがちですが、実際に基本となる性能はシングルシャッターで次々と被写体を見て撮れるという事だと考えています。
動態と言えば連写しか思い浮かばない人は、素人カメラマンだと思います。
連写機能を利用して プロの1カットに迫るのも もちろんアリですが、それではカメラの腕は上がりませんし、動態視力も強化されませんので、永遠に素人の域を超えられないものだと思えます。
なを連射機能から、そのカメラの持っているある程度の性能も推し量る事は可能です。

今回の評価をして思うのは、人間の視力から来る反応速度は、見て認識して反応するとした場合、100ms~200msと言われているが、それに人間の予測を考慮した場合、見ている事で次ぎの事象を予測している事が多々発生しており、単純な反応速度以上の結果が得られているだろうと言うこと。
その為には、まず見えていなければ、人間予測も有効に働かないという事。
光学カメラは、まず見えに関しては、ほぼ満点に近いレベルにあると思える。
もちろん連射時には、ミラーレスにおける超高速連写でのブラックアウトレスの世界とは評価基準が違うので、これに関しては、私は何も言わない。
ミラーレスで必要なのは、当然シャッターレスポンスもあるが、まず被写体が見え続けている事が一番必要な事です。
しかし実際問題、ブラックアウトレスと言っても、シャッター押下によつて前画像が表示されており、それが次画像の表示をじゃましている場合がある と思える。
これがミラーレスの人間予測をじゃましている原因の要因だと思う。

AFをONにしても実際問題今回の被写体のように撮影距離が変わらなければ、その評価にほとんど影響しなかったと思える。

恐らく2020年のオリンピックを迎えて、2019年はD5並の動態撮影能力を持ったカメラがリリースされ始める予感は多いにあり それに期待したい。

ところでそういう動態撮影能力を持っても、メカとしてのシャッター押下の能力が貧弱なカメラは、トータル性能を発揮できないのは当然の事ではあります。

まずは三三七拍子をシャッターで切れる事が最低パフォーマンスですので、それをクリアーした上で上記テストをされると良いと思います。
誰か EOS R で上記テストやってみてくださいね(^^;)