反射速度
先日カメラのタイムラグ測定目的で人間の反射速度を試すようなテストをしましたが。
一般的に言われているのは人間が目で物の動きを見てから反応する速度は、概ね100ms程度になっていると言われています。
更にデジタルカメラのタイムラグ=レリーズタイムラグは 50ms~100ms 程度。
Nikon D5 は 50ms D4は40ms程度だそうです。
私の経験値上最近のミラーレスカメラでも レリーズタイムラグは、その程度だと思えます。
そうすると、人が物を目で見て実際の撮影される画像は、150ms~250msという事なります。
これは、人の反応スピードも若干前後はあるでしょうが、あまり変わらないと思えます。
ここからが本題ですが、0.15秒から0.25秒というのは、スポーツや私の撮影しているバレエの世界では、あまりにも遅くて、単に今見た物を瞬時に判断して撮るという事では、到底写真は撮れません。
0.15秒というのは、秒間7コマ程度の連写性能になる事を考えれば、わかると思えます。
私の経験値上 バレエの舞台撮影では、秒間20コマでも93%程度、秒間30コマで約100%カバーできる範囲の認識があります。
秒間20コマの世界は 50ms 秒間30コマの世界は 33ms の反応速度になります。
つまり人間の反応速度+リレーズタイムラグ150msをなんとかして 33msを克服する必要が出てきます。
その箇所は、人間の予測=動態予測によって、実際に撮影したいタイミングをそれ以前の動きから予測して、克服しているのが 動態撮影カメラマンの技量になります。
光学ファインダーのレベルと、電子ファィンダーのレベルでは、見ている物自体が現実世界とは異なるので、
光学ファインダーの場合は レリーズタイムラグ = 実タイムラグに近いと思えますが、
ミラーレスの電子ファインダーでは、レリーズタイムラグ + α = 実タイムラグ
になっていると思われます。
αの部分には、撮影素子からEVFに見える遅延以外にも どうも もっと大きな遅延があると経験しています。
これは、ミラーレスでも、ファインダーを見ずに裸眼で、被写体をとらえて撮影する分に関しては、光学ファインダー並のレスポンスを発揮していると実測しています。(少なくとも舞台バレエの撮影で要求されるレスポンスに関して)
追記
野球では時速140km/hのボールはプロでは普通の速度ですが、これは秒速だと 39m/S となります。
更に100ms では 3.9m ボールが移動しますし、10msでは 39cm となります。
人間の反応速度が100msと言われていますので、バッタは、3.9m以降の玉は、予測を生かして打っている事になります。
もしこれが、50ms過去の物を見ているとしたらどうでしょうか?
バッターに見えている現実が 3.9mに来たボール見えても、50ms前の物で実際には、3.9m/2 = 1.95m 先に来ているとしたら、ほぼ100%ボールを打つ事は不可能と思えます。
この事が、ミラーレスカメラのEVFでは発生しています。
最新のEVFでは遅延が5ms と呼ばれていますが、この場合でも 19.5cm 過去の物を見ているとなります。そんな状態で、ボールが打てるとは、かなり厳しいと思えます。
人間の動態予測はあくまでも、現実見ている物を基準として時間の流れが未来に向かう事で成り立っているので、現実に見ている物自体が、違う時間軸に流れで動いてると、かなり予測が困難になります。
2019年6月5日