モデル肌色印刷について
ビューティ系写真では、高彩度のモデルの肌色の写真がよくあります。
まそういう事はなくても、女性の写真を撮った時に、実際の肌色が綺麗に写真画像として出来上がっても、それを通常のラボに出したり、インクジェットプリンターでも意識しなければ、その肌色が適切には表現されません。
表現だけの問題でなく、肌色の階調が出ないが為に、被写体の美しさを損なっている場合は、非常に多く、それが一般的だと思って良いと思います。
これは、Lab表現でのガモット図です。
輝度値L85での ab座標でのガモット(色領域)を表しています。
白線
色校正として認定されているプリンタ PX-H6000でプルーフ印刷用紙の場合
赤色
写真ラボでは一般的に ノーリツラボマシンでの場合
高輝度での色領域が、ラボマシンではH6000に比較して、圧倒的に狭い事がわかります。中心点から少し外れた右上の箇所 Lab=(85,14,7) にマークした点を打ってあります。これは、実際の撮影によって、撮影した時の女性の肌色の高輝度部分です。
白色のぎりぎり内側ではありますが、赤色の範囲から大きく外れています。
カラーマネージメント的には、赤色ラボマシンでこの画像を印刷した場合、女性の高彩度肌色の階調がなくなってしまい、美しさ半減となってしまいます。
adobeRGBを印刷できるインクジェットプリンタでも、コバルトブルーなどの色領域のカバーレンジをうたっていても、実際問題非常に重要な肌色高彩度の部分が、結構カバーされていなかったりしています。
特に、展示会など印刷される場合には、この事は十分に把握している必要があります。プロのカメラマンの方々でも、本内容を理解せずに、ポートレイトでの写真の編集などを解説している方々がいますが、なんかなぁ~と思う事しかり。
また、結婚式の前撮り等の写真でストロボを使って綺麗に撮影していても、ラボマシンで印刷すると、一気に花嫁さんのメイクの色が、損なわれている場合は多いものです。
そのような一点物の写真では、色校正の行えるレベルの質の良いインクジェットプリンターで、印刷するしかないと思えます。
2019年11月28日